2010年07月04日
サーマルカメラ分解
前回日記で描いた雷刃の襲撃者本は無事売り切れましたー,ありがとうございました(´∀`
前々から時々サバゲなどで使ってるキャデラック用のサーマルビジョンですが,今ひとつフォーカスが甘いのが気になっていまして。感度があんま高くないのはまあ古いから仕方ないとは思うんですが…という訳で分解してみました。バラすだけで結構骨だった…。ジャンクで調達した方などいましたら参考用ということで。
フロントの平面の黒い板は,車載時の氷結防止の機能を持たせたシールドです。真っ黒に見えますが,サーマルビジョンの検知波長で見ると透明に見えるようになっています。
留めピンを除去して,フロント側のパーツを捻って取り外し可能。(これに気づくまでにまた時間がかかった訳ですが)
外すと綺麗なサーマル用レンズが顔を覗かせます。ゲルマニウムレンズかな。なんか真ん中がちょっとキズあるのが残念。多分前の人が分解する時につけたのかも…。
裏側。こっちがマイクロボロメーターへ赤外線分布を結像する最終レンズ。ツヤ消しみたいになっててほんとにこれで光学系として機能するのか不安になりますが,遠赤外線の長波長帯域なのでこれでもOKみたいですな。フルネルレンズみたいになってます。
こっちがマイクロボロメーター側。回転式の円盤が見えます。これはどうも水平方向の走査速度に同期して回転するみたいで,読み出ししている以外のラインに遠赤外線を入射させないのが目的っぽい感じのような。多分見た感じ毎秒15回転程度するっぽいですナリ。
一見CCDっぽく見えるのですが,特に非冷却マイクロボロメータのサーマルビジョンは原理が違うもので,遠赤外線の物を暖める効果を応用して,極小の素子の温度変化を電気抵抗の変化として検出するようになっています。昔はCCDなどのように遠赤外線の入射を検知してたのですが,そっちは熱雑音の影響が大変大きいので大掛かりな冷却装置が必要だったんですよね。
マイクロボロメータの方は相対温度で検知するので非冷却式でOKになった訳です。もっとも,検知能力で劣るので,航空機などスペースに余裕があるものは冷却式を今でも使っているようですな。
時々CCDカメラを改造してサーマルに!という感じの事を言う人もいるのですが,いやまあ…そんな簡単に出来たら私もうれしいんですけどね。大抵,冷却型の量子型赤外線センサとボロメータ型のセンサの機器の特徴を混同してしまっていることが多いみたいです。また,近赤外線と違って通常の光学系では結像できないので,前述のゲルマニウムレンズのような特殊な光学系が必要になり,これもまた特殊用途なのでかなり高額です。
なんでまあ,センサー単体を入手してせいぜい電源系を取り付けるくらいで,センサそのものを自作というのはまだかなり厳しい段階にあると思います。スターライトスコープに使う光電子増倍管よりも用途が広いんで,量産したらその内安くなりそうな気もするんですが…。
ちょっと前にOLEDのアレイで遠赤外線検知を行う技術ってのがニュースになってたので,この辺りで安価になったら面白いんですけどね。10年スパンの話なのかな。
さて,このサーマルカメラは焦点半固定式で,調整した後固定するようになってます。初期型のキャデラックNVはこの辺りの調整の仕方にちょっと問題があって,仕様変更があってこうなったみたいですね。おそらく車輌用の焦点固定後,振動なんかで微妙にずれたら再度ここで調整するようになってたんでしょう。そんな訳でピント調整可になりました。ユニット構成から見ると,やはりレイセオンの軍用サーマルビジョンThermal EYE G100ベースであることは間違いなさそうなので,そちらも似たような位置にピント調整用の六角があるのではないかと思います。
今までのサバゲでイマイチぼやけてたのが,今後はクッキリ撮れそうです。(゜∀゜
これはなるべく焦点距離近く(1.5mくらい)にしてみました。
(クリックで動画リンクです)
今度遠距離用に調整して,ゲームに投入してみようかと。でも夏コミの原稿があるからなあ…。
後は追従式キヤノンとアグリーなフェイスとか? 自爆用にi-パッドも装着
あとキティちゃんみたいな口も必要ですなありゃあ…。ライトスティック静脈注射で死亡フラグですね,わかります
■sinn-te さん
あのレーザーサイト,どっか商品化しないですかねえ,マズルの周りに3点つける感じで,プレデターサイトとかいってw まあ3つのポイントの平行保のが大変そうですが!
あ、そういやプレデターズも始まってるし、見に行かなければ!
今年は暑くなりそうだな、フハハハッ